大分で活動しているファイナンシャルプランナーの三重野徹です。
子どもが成長するにつれ、親として避けて通れないのが「大学進学の費用」の問題。
「入学金や授業料だけでなく、生活費まで含めるとどのくらいかかるの?」
「奨学金って本当に使っても大丈夫?」
「教育ローンってどんなもの?」
今回は、そんな疑問にお答えしながら、大学進学に必要なお金と、その準備方法について、具体的に解説していきます。
■ 大学進学にかかる費用は、想像以上に大きい
文部科学省や日本学生支援機構のデータによると、
【4年間の大学生活にかかる費用】は以下のようになります。
区分 | 自宅通学(国公立) | 自宅通学(私立) | 下宿(私立) |
---|---|---|---|
授業料など | 約250万円 | 約400万円 | 約400万円 |
生活費(下宿代含) | 約100万円 | 約100万円 | 約500万円 |
合計 | 約350万円 | 約500万円 | 約900万円 |
このように、下宿するかどうかで大きく差が出ます。
自宅から通える国公立大学でも350万円前後はかかる見込みです。
さらに、入学初年度は「まとまった出費」が集中するため、事前の準備がとても大切です。
■ 初年度にかかる「まとまった出費」に注意!
大学入学時には、入学金や前期授業料、引っ越し代、家電・家具の購入費用など、
1年目だけで100万円~150万円程度の出費になるケースもあります。
主な初年度費用の内訳:
入学金(国公立:約28万円/私立:約25~30万円)
授業料前期分
教材費・パソコン・制服代(学部によっては10万円以上)
一人暮らしの初期費用(敷金・礼金・家具・家電)
入学後すぐにかかるお金が大きいため、事前にまとまった資金を用意しておくことが安心材料になります。
■ 奨学金って安全に使えるの?
教育資金の補填としてよく使われるのが「奨学金」です。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、主に次の2種類があります。
① 第一種(無利子)
成績や家計の条件を満たせば、利子なしで借りられる
月2~6万円程度
② 第二種(有利子)
第一種より基準が緩く、多くの学生が利用している
月3~12万円程度(選択制)
いずれも、**卒業後に返済義務がある「借金」**であることに注意が必要です。
借りすぎてしまうと、社会人になってから毎月1~2万円以上の返済が長く続くことになります。
■ 教育ローンとの違いは?
奨学金と似た制度に「教育ローン」があります。
教育ローンは、親が借りて返済するローンであり、次のような違いがあります。
項目 | 奨学金 | 教育ローン |
---|---|---|
借り手 | 学生本人 | 保護者(親) |
返済開始 | 卒業後 | 借入後すぐ |
利率 | 無利子または低利 | 比較的高め(年1〜3%程度) |
用途 | 授業料、生活費 | 入学金、受験費、授業料など |
まとまった入学資金が必要なときには、教育ローンを一時的に活用し、
その後、奨学金で補うという組み合わせも検討できます。
■ いつから、どう準備すればいい?
大学費用は、高校卒業の直後に必要になる大きな出費です。
そのため、高校入学前から準備を始めておくのが理想的です。
【準備の目安】
月1万円の積立を15年:180万円
月2万円の積立を18年:430万円以上
早めに準備を始めるほど、少ない負担で済みます。
また、ジュニアNISA(※2023年終了)や学資保険、つみたてNISAなどの制度を活用すると、効率よく資金を準備できます。
■ 今日できる小さな一歩
大学費用の準備は、早すぎることはありません。
まずは、以下のチェックをしてみましょう。
【ヒント】
「子どもは進学先をどう考えているか」一度話してみる
「自宅通学?下宿?」ライフスタイルの希望を共有しておく
今の家計から月1万円でも貯められるか、シミュレーションしてみる
将来、「入学金が払えない…」と慌てないためにも、
今できることから始めることが安心につながります。
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