大分で活動しているファイナンシャルプランナーの三重野徹です。
「やっと子どもが独立して、これからは自分のためにお金を使える!」
…そう思ったのに、現実には子どもにまつわる支出がなかなか終わらない、というケースも少なくありません。
今回は、「子育てが終わったあと」にかかるお金、いわゆる“お金のブーメラン”についてお話しします。
■ 「独立=お金がかからない」は間違い?
子どもが社会人になれば、親の経済的負担も軽くなる…と思いがちですが、実際にはこんな出費が続きます。
就職時のスーツ・引っ越し・家具家電の費用
自動車購入費・免許取得費
結婚資金の援助
出産・孫育児に関わる費用
子どもが家に戻ってくる(リターン)
これらは一度きりとは限らず、状況次第で何度も発生する可能性がある支出です。
■ 支援したい気持ちが「老後不安」につながることも
親として、子どもの門出を応援したい気持ちは自然なこと。
しかし、そこに明確な「予算」や「家計管理」がなければ、自分たちの老後資金が足りなくなるリスクも。
実際にFPとしてご相談を受ける中で多いのはこんなケースです:
✅「子どもの結婚で300万円援助したけど、自分の老後が心配に…」
✅「孫の保育園の送り迎えのため、車を買い替えたら貯金が減った」
✅「まだ奨学金の返済が終わっていない子どもを支援中」
支援が“無理のない範囲”であれば問題ありませんが、将来の生活を圧迫するほどの援助は、結果的に「子どもにも迷惑をかける」ことにつながりかねません。
■ 「頼られる親」から「相談される親」へ
お金の支援が続いてしまう背景には、「親なら当然助けるもの」という無意識の前提があることも。
しかし、これからは親世代も「年金だけでは足りない時代」。
“何でも背負う親”から、“一緒に考える親”へのシフトが必要です。
【親としてできること】
子どもに「うちは老後資金も必要だから、○○円までなら援助できる」と伝える
あらかじめ「結婚祝い」などの資金を計画的に積立てる
「もしも老後に足りなくなったら、助けてね」と素直に話す
こうしたオープンな対話が、親子双方の未来を守る鍵になります。
■ 子どもが家に戻ってくる「リターンリスク」
最近では、就職後に「一人暮らしが続かない」「転職で収入が下がる」などの理由で、
再び実家に戻る“リターン”ケースも増えています。
この場合、食費・光熱費・居住費がかかるのはもちろん、
「家族分の保険料を親が払っている」「扶養に戻している」など、再び家計を支える負担が増すことも。
できれば、家族としてルールを決めておくことが大切です:
「生活費は〇円入れてね」
「自分のスマホ代・保険代は自分で払おう」
「家に戻っても期限を決めよう」
親子の関係に遠慮が出るかもしれませんが、**「お金の話=家族の未来を守る話」**という意識を持ちましょう。
■ 今すぐできるアクション
☑ 子ども関連の「未来の出費」を一度リストアップする
☑ 「援助できる金額の上限」を家庭で話し合っておく
☑ 退職後に備えた“自分たちのお金の計画”を立てる
■ おわりに
子育てには終わりがありますが、親子の関係とお金のつながりは一生続きます。
「将来、子どもに迷惑をかけたくない」
「でも、必要な場面では応援もしたい」
そんな気持ちに寄り添いながら、無理のない範囲でできる備えと、家族の対話を大切にしていきましょう。
みらいマネープランニングでは、家計の見直し、ライフプラン設計、住宅購入相談、将来の年金相談、NISAやiDECOなど、随時初回無料で相談(1時間)をお受けしています。メールでお問い合わせください。
お金の小学校大分校では、8月、9月も授業開催予定しています。
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